映画から学ぶ哲学シリーズ ノマドランド編
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アメリカの地方で、キャンピングカーを家として生活する人たちの物語です。
以下、ネタバレ含みます。
https://www.youtube.com/watch?v=89a0cFJypww
主人公は、夫に先立たれ、思い出の家を離れてキャンピングカーのように改造したヴァンで生活している60代の女性(元教師)
そこには、キャンピングカーや車で生活する人たち(主に家なし)のリアルな日常が描かれていました。
キャンピングカーを、趣味ではなくて、家の代わりに拠点として生活するとなると、大きく様相が変わってきます。
仕事は、転々としながら、国立公園の清掃の仕事をしたり、Amazonの倉庫配送の仕事をしたり、求職活動に苦労しながら、日雇い労働者として給料を得て1日1日を食いつないでいます。
自転車操業状態だから、車の故障とか突発的な出費は死活問題。
水回り関係の実情もハード。
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荒野で排泄するシーンや、
誰もいない滝壺のような場所で全裸で水浴びするシーン
公衆トイレで髪を洗うシーン
生々しい、家なしの日常が描かれています。
さらに心理描写も細かいです。
旧生徒「先生はホームレスになったの?」
主人公「ホームレスじゃなくて、ハウスレスよ。大きな違いよ。」
家で普通に生活する人たちに同情され、いつでもうちへと言われるシーン
ひたすら日常を過ごす孤独なシーン
ノマド仲間たちが集まり炊き出しのようなことをして、助け合い、寄り添い合うシーン
ノマド仲間と物々交換しつつ、旅の理由を語り合うシーン
駐車場に止めていたら、覗き込まれ、ノックされ、車中泊禁止と注意されるシーン
大金持ちが道楽で持つような巨大トレーラーハウスの運転席に座ってはしゃぐシーン
ショットバーで仲間達とお酒やダンスを楽しむシーン
各シーンで、主人公の心理描写が丁寧になされていました。
ノマド仲間の旅の理由はさまざま
そうするしかない人
PTSDで人混みや雑音が苦しくて車生活に逃れた人
帰る家があるのに、寅さんのように放浪している男性
病気を抱え、死を悟り、最後の旅をしている女性
etc
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沢山の出会いと別れ、時に淡い恋のようなものも
デートのような日々を重ねた、途中で家族の待つ家に帰る男性は、主人公を家に誘い、君が好きだ。一緒に住んでほしいと誘います。
ツバメの巣の動画を受信し、主人公は「あなたは家に帰れたのね」とつぶやきます。
病気を抱えた女性は亡くなり、大好きな石でノマド仲間に弔われます。
「さよなら」ではなくて、「またどこかで」とそれぞれの道をいく。
そんな、遊牧民のような、時に孤独で少し儚い暮らし
https://gyazo.com/ad9043df23a60434fe7160e099eaa309
立派な家で家庭を持つ妹に、
「あなたは変わり者だけど、他の人より勇気があって正直なだけ」
と励まされて。
最後は、夫を失った悲しみを乗り越え、預けていた家の荷物を手放し、ついに思い出の詰まった空き家に帰ります。
そうしてまた、身軽になって旅に出ていく。
決して綺麗事だけでない、むしろ人生のリアル、苦しさも丁寧に描いている
とてもメッセージ性の強い映画
経済格差社会や人生そのものを表している感じ
アメリカの地方の荒野がたくさん出てきますが、ノスタルジーな感じがとてもマッチしていました。
ディズニー映画「カーズ」のホームタウンとなる街「ラジエータースプリングス」の感じ
ルート66を地でいく
https://www.youtube.com/watch?v=FoF_dpgRBtM&list=PLiXY_0NGHNiNUg64LDIyveP2ORkp7IKY_&index=11
さて、現在ブランディング、マーケティングを考え中の私にとっては、ベストタイミングな映画
この映画をどのように捉え、活かしていくか
まず、ターゲットを
① やむおえず、家を手放し車生活を強いられる人か
② 家はあって、趣味でキャンプ生活を楽しむ人か
③ キッチンカーやテレワーク、営業者のようなイメージで仕事に使いたい人か
④ ミニマリストを極めて、進んで家を手放した人か(これから出てきそう)
など、ざっくり分けられますが
それぞれ全くもってブランディングもマーケティングも異なります。
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元は軽トラに載せる「ただの箱」であり、人によって使い方はさまざま
ターゲット層に合わせて、使い方のシーンを想像できるような、メリットが手にとるようにわかるような
視覚化したも画像や動画を、必要な層に届けられれば、同じ箱をいろんなパターンに活用できると感じました。
それと、映画でアメリカ社会での扱いにも出ていましたが、
①については、世間の厳しい目に晒されます。
世間の一般常識が、住む家はあって当たり前だから
自分の城、不動の拠点、マイホームを持ってこそ一人前
特に地方こそその価値観が根強く残っている
そんな大衆の「一般常識」「当たり前」から、はみ出すことを快く思わず、白い目で見てくる人もいる
別にその人に迷惑かけているわけではないのに、自分と異なる価値観を受け入れられず、拒否反応を示す。
https://www.youtube.com/watch?v=DeGkiItB9d8
それが自分の中にもあって、落ちぶれたくないと、苦しい思いをしてでも家を手放せない人もいるでしょう
でも、視点を変えてみると、不動の拠点がないことは、身軽な証拠
https://gyazo.com/90ea233633349bc45f1a2b9e82de0f34https://gyazo.com/f51bc8cda23d751d385b4870a00f6ee9
固定費を抑えて、浮いたお金を旅や経験など他へ回すことができる
ご近所付き合いに、悩まされることもない
私にはとても魅力的に写ります
ホリエモンは、家を手放し、ホテル住まいを謳歌していますしね
お金があるかないか、場所を問わずできる仕事かどうかで、大きくその様子は異なってくる
「ノマドランド」で描かれている高齢者層は、物理的な肉体労働をしている層なので、職探しもたまの贅沢もシビア
だけど、例えば、動画コンテンツの販売など、売れれば売れるほどそれにかけた経費が安くなっていくビジネスモデル、
ストック型のビジネスモデルであれば?
パソコン1台で、車の中でもWi-Fiさえあればお金を生み出せれば?
一般大衆的な世間の目を、逆にかわいそうと思う価値観をもてたら?(ハードル高い)
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場合によっては、最高にクールなライフスタイルになりえる
風呂に入りたければ、旅館の日帰り温泉も楽しめるし、広々寝たければ全国各地のホテルに泊まることもできる
時間や場所に囚われず、自分で非日常感を生成できる。
高台につけて夜景を楽しんだり、海につけて、日焼けせずに海をまぢかで眺めたり。
あとは家族。家族丸ごとそうしたライフスタイルにできたら?
長期休みをうまく利用したら?
軽トラシェル2台で、パパママが運転して旅するとかもありかも?
https://gyazo.com/711fa827db412fdb004ffc97242421ed
車中泊可能な場所を全国に把握し、そこを転々としながら、各地の暮らしを楽しんだら?
なんなら車中泊できるところごと仕組み化してしまえば?
そんな感じで、妄想が広がっています笑
もし、場所に囚われないお金の稼ぎ方をセットで提供できる仕組みを作れれば、軽トラシェル旋風が巻き起こせるかもしれないと思っています。
長くなってしまいました。
読んでくださり感謝です。